FSP(Functional Swing Plane)によるスイング構造の見立てとKIGOLF理論の統合

KIGOLFオンラインリニューアルに向けた準備の一環として、記事の再執筆を進めています。

今回は、バイオメカニクスの権威であるDr. Kwon教授の説明を引用しながら、KIGOLF理論との相関関係および統合について執筆を終えました。

この内容を、サマリー的な要素を含めてブログ記事としても掲載してみました。


FSP(Functional Swing Plane)とは?


FSP(機能的スイングプレーン)とは、クラブが実際に通過する軌道から導き出される「機能的なスイング面」を指します。

従来の教科書的・理想モデル的なプレーンとは異なり、実測データに基づいた現実的かつ個別最適なスイング面です。

従来:アドレス〜トップまでのシャフト角や静的モデルに基づく「理想」評価(視覚的・静的)

(C)BenHogan 有名なホーガンプレーン

FSPの角度傾向と分類

FSPは傾斜によって分類され、それぞれに特徴があります。

  • Flat(フラット):水平に近く、遠回り軌道。Spiralタイプに多い。
  • Neutral(ニュートラル):中間的で効率的。Planarタイプに多い。
  • Steep(スティープ):立ち気味で上から入る。Reverse Spiralタイプに多い。

FSPが及ぼす影響と活用方法

  • Flat:ダウンでクラブが寝やすく、引き込む軌道。リリース遅め。
  • Neutral:上半身と下半身の連動が取りやすく、再現性が高い。Planar動作と親和性。
  • Steep:トップでクラブが立ちやすく、アウトサイドから下ろしやすい。左手支点系と相性が良い。
(C)Dr Kwon









FSPの見つけ方

解析ツール(Gears、Swing Catalyst等)でMD・MF・BIを計測 → FSPを導出可能

実際には目視でも十分に判断可能で、Mid Trunkとボールを結んだ線を基準としてクラブ軌道を観察することで、FSPの傾向を見抜くことが可能です。

さらに、HMP(Hand Movement Plane:手の軌道)やフェース向きを照らし合わせることで、動作最適化の指標となります。
 
HMPとの組み合わせによるスイングタイプ分類

  • Flat × Inward → Spiral Swing
  • Neutral × Parallel → Planar Swing
  • Steep × Outward → Reverse Spiral Swing
(C)Dr Kwon


KIGOLF理論との統合視点

KIGOLF理論における「支点 × リリース × 軌道設計」と「FSP」を対応させると、以下の相関が見られます。

  1. Flat FSPKIGOLFアンダー→右手支点・レイトリリースと相性が良い
  2. Neutral FSP:KIGOLFニュートラル→中央軸保持・Planar動作にフィット
  3. Steep FSP:KIGOLFカバー→左手支点・早期ブレーキ(Y字インパクト)と親和性

まとめ:FSPで何が見えるか

スイング評価の本質は、「見た目」ではなく「クラブがどの面を通っているか」にあります。

FSPを理解することで、自分のクラブ軌道がどのような特性を持っているのか、またその軌道がどのタイプのスイング構造と整合しているのかが明確になります。

FSPを基準にすることで、クラブ挙動とスイング構造とのズレを論理的に把握し、動作最適化の精度を高めることができるのです。

プロフィール画像
この記事を書いた人:KENTARO ISHIHARA
15年間シンガポールを拠点にプロツアー参戦と指導経験を積み、現在は日本でプロコーチとして活動中。25年以上のプロゴルファー歴と世界中で学んだ理論をもとに、独自の「KIGOLF理論」を構築。クラブチャンピオンからプロ志望者、現役プロまでが信頼を寄せる本格的なレッスンを展開している。

・AimpointインストラクターLV2・Dr Kwon's BiomechanicsインストラクターLV1・Bio Swing DynamicsインストラクターLV2・Singapore PGA・Edel公認フィッター 詳しいプロフィールはこちら>>>

نموذج الاتصال