
2024年にブライソン・デシャンボーが使用を開始した
“バルジ付きアイアン”を目にしたとき、私はある強い確信を抱きました。
バルジ効果を意図的に取り入れたアイアンこそが、
次なるトレンドの先駆けとなる―― 私はそう思い記事をSNSに投稿しました。
従来のクラブ設計においては、フェース素材の改良や重心設計による飛距離や寛容性の向上が主な差別化要素とされてきましたが、「ゴルフクラブの性能進化は、もはや限界に近づいている」と私は近年感じています。
そもそもバルジの目的と効果とは
ゴルフクラブにおける「バルジ(bulge)」とは、主にウッド系クラブ、特にドライバーのフェース面に見られる横方向の丸みを指します。
フェースを正面から見ると、左右方向にわずかにカーブしている形状をしており、これに対して上下方向の丸みは「ロール(roll)」と呼ばれます。
このバルジは、フェースの中心を外れた位置でボールを打った際の打球の方向を補正する重要な役割を果たします。
1. ギア効果(Gear Effect)の補正
フェースの左右で打点がずれると、クラブヘッドとボールの間に摩擦が生じ、「ギアのような回転」が発生します。これをギア効果と呼びます。
- トウ(フェースの右側)で打つと、ボールにはフック回転(左回転)がかかります。
- ヒール(フェースの左側)で打つと、ボールにはスライス回転(右回転)がかかります。
フェース面が平らな場合、ボールの打ち出し方向は真っ直ぐでも、スピンの影響で大きく曲がる軌道となります。 ※注)しかし、フェースにバルジがあることで、打点位置によってフェースの向きが自然に変化します。
具体的には、トウで打つとフェースは右を向き、ヒールで打つと左を向くため、 スピンによる曲がりと打ち出し方向が互いに打ち消し合うような補正が働きます。
この結果、ミスヒットであっても弾道が直進に近づき、直進性が向上します。
※注釈
新飛球理論(D-plane)では、オフセンターヒットに言及されていませんでしたが、オフセンターヒット時のボールの挙動についても言及されている、真飛球理論(英語名忘れました。Ture 何とかという呼び方です)というのが、D-planeの後に出ています。
真飛球理論を知ったのは今から8年ぐらい前ですが、デシャンボーの功績であと数年で出てくるかもしれませんね・・(これも予想)
2. 打ち出し方向の自然な調整
バルジの効果により、トウ側で打ったボールは右方向に打ち出されつつ左に戻るドロー軌道に、 ヒール側で打ったボールは左方向に打ち出されつつ右に戻るフェード軌道になります。
このように、クラブフェースの設計に組み込まれたバルジは、 スイートスポットを外したショットに対しても、球筋の自然な補正を促す重要な要素となっているのです。
バルジは、パーシモン時代には当たり前についていた機能ですが、メタル、チタンへと変わっていく中で忘れ去られました。
最後に見たのは、20数年前のADAMS GOLFのチタンドライバーだった気がします。私は予知能力者なのかもしれない
冗談はさておきついに出てきましたね(2025年10月)。最近ではジェイソン・デイがYouTube動画でフルセットの“カーブフェースアイアン”を使用しており、今週のツアーでは3DプリントされたAvodaのプロトタイプを投入していました(こちらもおそらくフェースにバルジ構造があるようです)。
さらに、ブライソン・デシャンボーもLA Golfのアイアンを短期間テストした後、再びAvodaのアイアンに戻しています。こうした流れを見ると、今後数年でAvodaがアイアン市場で確実にシェアを拡大していく可能性もありそうです。
個人的には、使ってみたい
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