【KIGOLF理論に基づく構造別シャフト考察:カバータイプとアンダータイプの最適設計】

 



先日、レッスンをしていた際に、シャフト適正に関する新たな気づきを得ました。ここでは、実際の事例や自身の体験を通じて得られた考察を共有いたします。

思考の断片1:アンダー構造からカバー構造へ移行したお客様

あるお客様は、もともと右手主導のアンダースイングを行っていましたが、肩を痛めたことをきっかけに、左手支点を活用するカバースイングへとスイングスタイルを変更されました。アンダー構造の時期には、重めで硬めのシャフトでも問題なくスイングされていましたが、カバー構造に移行してからは、「ボールの捕まりが悪くなった」「タイミングが合いづらい」「球が上がりすぎる」といった課題を感じるようになったとのことです。

しかし、練習用の非常に柔らかい“ふにゃふにゃシャフト”を使用してみたところ、球筋が安定し、打球の高さも程よく収まったことから、構造の変化によってシャフトに求められる特性が大きく変化することが明らかとなりました。

思考の断片2:私自身の変遷と体感

私自身も、スイング構造の変化によるシャフトの相性の違いを強く実感しています。現役時代はヘッドスピードが52〜55m/sほどあり、飛距離にも自信がありました。シンガポールの試合ではフォローで340m、インドネシアの試合では打ち下ろしで325mという記録も残しています。

当時は重く硬いシャフト(XX)を使っていましたが、現在はヘッドスピードが45〜48m/sほどに落ち着き、スイング構造も本来のカバー型に戻ってきました。スペックはやや軽くしているものの、依然としてXフレックスを使用していたこともあり、「球が捕まりきらない」「球が逃げていく」といった違和感を感じる場面が増えてきました。

その後、柔らかめのシャフトを用いたデモスイングを試してみたところ、タイミングの取りやすさや球の捕まりの良さに驚かされ、以前とは正反対のフィーリングを得る結果となりました。

思考の断片3:アンダー構造の選手のクラブを試打した時

レッスン中、ウェッジの打ち方に関する話題の中で、アンダー構造の選手が使用しているクラブ(Project X 6.0、52°)を試打する機会がありました。その選手はこのクラブで120ヤードを安定して飛ばしていましたが、私が同じクラブを使ったところ、100ヤード程度にとどまりました

Project Xは、私にとって最も苦手なシャフトのひとつです。しなりが感じにくく、ボールが吹け上がる印象があります。しかしアンダー構造の選手にとっては、非常に扱いやすいと評価されています。

ラウンド中のドライバーの飛距離では互角、あるいは私の方が上回る場面もありますが、ウェッジで20ヤードの差が生じるというこの現象は非常に興味深く、「なぜこれほどまでに違いが出るのか」と改めて考えさせられる経験となりました。

考察:構造とシャフト特性の関係

これらの事例から明らかになったのは、クラブ設計や挙動は、選手の“支点構造”および“出力様式”と密接に関係しており、単に「ヘッドスピード」や「筋力」だけでシャフトスペックを決定するのは不十分であるということです・・・





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