カバースイング構造の核心に迫る:小林プロとの再調整セッションレポート

背骨のうねり骨盤の傾き仙骨の方向が素晴らしい


小林プロ再訪──「止める」動作の再設計と次なる進化へ

昨日、小林プロがKIGOLFに再びお越しくださいました。
今回の目的は、以前実施したスイング調整のさらなるブラッシュアップです。

彼が初めてKIGOLFを訪れたのは、スイングに対する違和感を抱えていたときのこと。
その際には、バイオメカニクスの視点から彼の身体構造に合ったスイングタイプと運動連鎖を丁寧にご説明し、それを受けて彼自身が主体的にトレーニングを継続されてきました。
今回の再チェックを経て、「モヤモヤがだいぶ晴れた」と、非常に晴れやかな表情で語ってくださったのが印象的でした。


カバースイングとは? そしてプロの課題

プロのスイングは、KIGOLFで分類するところの「カバー構造」にあたります。
このスイングタイプの特性として、「どこかでブレーキをかけて末端を走らせる」という設計思想が重要になります。つまり、スイング中にクラブをスムーズに“戻す”ためには、構造的にどこかで“止める”動作が求められるのです。

ブレーキをかけるという表現はネガティブに聞こえますが、床反力を使って蹴る動作(出力方向を変える)もブレーキとして定義しています。

しかし、プロとしての経験値が高く、動作の質が非常に高い小林プロのような選手には、一つの傾向があります。それは、身体の動きがあまりにスムーズであるがゆえに、「止める」という必要な構造が抜けやすくなってしまうということです。

KIGOLF理論 x アンダー構造では優位に働きますが、小林プロの場合、身体的特徴がカバー側優勢なのでカバーを採用しています。

過去には、一時的にアンダー構造を混ぜることで“逃がす”ようなスイングをしていた痕跡も見られ、それがスイング全体の再現性において課題となっていました。


プロならではの強みと、ブレーキ動作の再設計

一方で、プロの下半身の使い方は非常に優れており、軸の傾きや“抜重”を活用した体重移動はプロ選手としての高い技術を感じさせます。
滑らかに流れるような身体の動きの中で、あえて“ブレーキ”という逆構造をどう織り込むか――。これが、今回の調整における大きなテーマでした。

KIGOLFが提案するカバースイングの出力構造は、以下の3ステップで構成されます。

  • 止める

  • 末端加速

  • フェースターン

KIGOLF理論カバースイングでは、ガンマトルクは定義から外しているため一般的に考えられてる、ねじる要素は排除しています。

この一連の連鎖をいかに高精度で再現できるかが、スイングの安定性と出力に直結します。
今回、プロの調整において最も注力したのは、
「どのタイミングで、どの部位をブレーキとして機能させるか」
という一点に尽きました。


次なるスイング進化の鍵

体の動きが洗練されている上級者ほど、設計的な“引っかかり”をどこにどう作るかが大きな課題となります。
滑らかに流れるスイングに、意図的な“止め”を設計として組み込めるかどうか。
それが、プロの次なる進化を支える鍵になると考えています。

これからも、KIGOLFでは選手一人ひとりの構造に合ったスイングの再設計を通じて、さらなる高みを目指すサポートを続けていきます。

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